美容室でヘアカットしてもらうとき、ドライカットとウェットカットの2種類があります。
文字通り乾いた状態の髪をカットするか、濡らしてから切るかの違いです。
くせ毛の場合はどちらが向いているのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
- ヘアメイクアーティスト
- 江川 徹@tooru_f.hair_salon
- 縮毛矯正、髪質改善が得意な東京・錦糸町を中心に活躍するベテラン。
何が違う?ドライカット・ウェットカットの違い
美容室でヘアカットをオーダーしたとき、美容師さんは髪を乾いた状態でカットしますか?
それとも髪を濡らしてから切りはじめますか?
乾いた状態で髪を切ることをドライカット、髪を濡らしてから施術するものをウェットカットと呼びます。
この2つの違いは美容師さんがただ単純にどちらにするか決めている、というものではなく、それぞれを選ぶ意味がちゃんとあります。
ドライカット・ウェットカットとは?その違いを解説
普段、髪型は乾いた状態で仕上げることが多いですよね。髪が完全に濡れている時には、髪が広がることはありません。
うねりがあるくせ毛でも、水分の重さで抑えられます。
ドライカットはいつものヘアセットと同じ状態、髪が乾いたときの仕上がりを考慮に入れてカットできます。
濡れた状態の髪を切るウェットカットは、ドライカットに比べてカットするときの髪へのダメージを軽減できます。
髪には、水素結合という濡れると切れる結合があります。
水素結合が切れると髪は柔らかい状態になるため、硬い状態の髪をカットするより柔らかい状態の髪をカットした方が少ない力で髪をカットできることからダメージも減らせるのです。
ドライカットの解説で少しお話しましたが、髪は濡れるとくせ毛や広がりなどが出にくい状態になります。
美容師にとってはくせ毛のうねりがない方がカットしやすく、作業的にもウェットカットは切りやすいというメリットがあるのでくせ毛を濡らしてから切る美容師さんも少なくありません。
乾いた状態と濡れた状態では髪の状態が大きく変わるため、毛量調整・細かなカットはウェットカットの方が難しくなります。
ウェットカットは、大まかにヘアスタイルのフォルムを作るときや、ワンレンやカットラインがはっきりしたような髪型にするときに用いられることが多いです。
くせ毛にはドライカットとウェットカット、どちらが良い?
ドライカットとウェットカットの簡単な説明とその違いについて説明しましたが、くせ毛の髪質の場合、どちらのカットの方が良いのでしょうか。
ドライカット・ウェットカットのメリット、デメリットを整頓しながら考察してみます。
ドライカットのメリット
- 美容室から帰って自分でヘアセットしやすい髪型が分かる
- くせ毛のうねりを活かしたカットにできる
ウェットカットのメリット
- 髪へのダメージが少ない
- ドライカットより慣れている美容師さんが多い
ドライカットのデメリット
- ウェットカットに比べてカットによる髪への負担が大きい
- カットの時間がかかる
ウェットカットのデメリット
- 細かい調整ができない
- 自分でうまくセットできなっかった場合、サロン帰りとイメージが異なる仕上がりになることがある
- くせ毛、個性を活かすことが難しい
ドライカットのメリット1つ目は、普段の髪の状態を考慮しながらカットすることで、美容室から帰ったあと自宅でもヘアセットしやすい髪型に仕上げてもらえること。
美容師さんが、普段の髪の状態を観察・判断し、お悩みの部分を解消できるようにカットしてくれます。
ウェットカットだと髪のうねりや広がりが濡れている髪では分かりにくいことから、仕上がりの状態とはどうしてもズレが出てしまいます。
ドライカットのメリット2つ目は、くせ毛のうねりを活かしたカットにできることです。
ウェットカットではくせ毛のうねり具合が見えなくなってしまいますが、ドライカットなら本来のくせ毛のうねり具合を見ながらバランスのよいヘアスタイル作りが可能です。
ウェットカットの一番大きなメリットは、カットの時のダメージが少ないことです。
ドライカットは髪質を見極めながら最善の方法を考えつつカットしていくため、時間がかかるというデメリットがありますが、ウェットカットは手早く髪を切ることができます。
くせ毛にとってウェットカット、ドライカットどっちがいい?
ウェットカットとドライカットどちらがいいかはケースバイケースです。
例えば、最初はウェットでカットして、乾かしてからニュアンスを調整することがあります。
すなわち、くせ毛にとってどとらが良いかということではなく、あくまでなりたい髪型をつくるための手段であることを知っておくと良いでしょう。