いくつか種類のある洗い流さないトリートメントの中で、くせ毛におすすめなのはどれなのでしょうか?
うねって広がる&パサついてまとまらない、そんなくせ毛さんのお悩み解決のために、どのようなヘアケアアイテムが良いのかご紹介します。
- 毛髪診断士
- 遠藤 颯
- 毛髪診断士。Webメディアにおいて6年間記事監修を務める。
10点以上のヘアケア&美容アイテムのプロデュース経験も。
タオルドライ後に使う洗い流さないトリートメント、代表的な3つはこれ
まず、トリートメントは洗い流すタイプ、洗い流さないタイプの2つに分かれます。
- 洗い流すタイプ=インバストリートメント
- 洗い流さないタイプ=アウトバストリートメント
そして洗い流さないトリートメントとして使われるヘアケアアイテムは主に以下の3つ。
- ミルク、クリームタイプ
- ミストタイプ
- オイルタイプ
それぞれの特徴と、くせ毛との相性について解説します。
洗い流さないトリートメントその1、保湿力の高いクリーム状のヘアミルク
ヘアミルクは水とオイルを混合させたクリーム状の洗い流さないトリートメント。
水が多く含まれるクリームタイプのヘアミルクは、洗い流さないトリートメントの中でもさらりとしているのが特徴です。
ダメージを受けてキューティクルが剥がれ落ちてしまった髪は水分をぐいぐい吸収する性質があるため、水と油を混ぜ合わせたエマルジョンタイプのヘアミルクは浸透しやすく、傷んで乾燥するパサパサの髪におすすめ。
くせ毛さんが使うなら夜がベスト。
ヘアミルクは水が入っているため、お出かけ前のスタイリングで使うとくせ毛特有のうねりが強く出てしまう場合があります。
その理由は、その原因はくせ毛の髪の内部のタンパク質の構造にあります。
髪内部の水分を吸収しやすいタンパク質(Oコルテックス)と、乾燥しやすいタンパク質(Pコルテックス)が、直毛だとバランスよく並んでいるのに対して、くせ毛の場合はその並び方が不規則。
そのため、くせ毛で水分の多いヘアミルクは髪のパサつきは抑えられるものの、偏って並んでいる親水性の高いO-コルテックスが水分を吸収して膨張、髪がうねることも。
洗い流さないトリートメントその2、ミストタイプのヘアウォーター
ミストタイプのヘアウォーターは朝起きたときの寝癖直しとしても使われています。
文字通り、水でつくられているヘアウォーターはスプレータイプのものも多く、寝癖が立っている髪に簡単にシュッとミストにして吹きかけるだけでスタイリングできるのが特徴。
その他の洗い流さないトリートメントと同じように保湿、毛髪補修成分を含んでいるものもたくさんあります。
ヘアミストは細い髪にボリュームを出したい時におすすめ。
朝の忙しい時間に簡単にスプレーで吹きかけるだけの便利なミストタイプのヘアウォーター。
くせ毛との相性についてはあまりよくありません。
水分の多いヘアウォーターは保湿という点では優れていますが、くせ毛内部の親水性の高いコルテックスが膨らみ、強いうねりの原因となるためです。
くせ毛さんがヘアウォーターを使うなら、その後にドライヤーでしっかり乾かすと良いでしょう。
ヘアウォーターはくせ毛ではない、髪のダメージのあまりない人におすすめの洗い流さないトリートメントです。
洗い流さないトリートメントその3、ツヤが出て髪のまとまりが良くなるヘアオイル
ヘアオイルのテクスチャー
お風呂から出たあとの洗い流さないトリートメントで最近最も人気が高いのがヘアオイル。
その役割は髪を油分でコーティング、髪内部に水分と油分を補い保ちながら、傷んだ髪の毛先まで補修して滑らかな状態に導いてくれます。
パサつく、うねって広がりまとまらないくせ毛も、ヘアオイルを使うとしっとりとツヤ、まとまりのある髪になるため、くせ毛と一番相性の良い洗い流さないトリートメントといえます。
髪が浮く、膨らむことで広がってしまうことがお悩みなら洗い流さないトリートメントにヘアオイルを取り入れてみてくださいね。
3つの洗い流さないトリートメントの特徴を比較表にしてまとめました。
洗い流さないトリートメントの種類 | 特徴 | くせ毛との相性 |
ヘアミルク | さらりとして手触りで髪の保湿ができるため、乾燥・パサつく髪に向いている | ◯ |
ヘアウォーター | 最も簡単に使える洗い流さないトリートメントで保湿効果も◎ | △ |
ヘアオイル | 油分で髪をコーティング、水分・油分を補い保ち、ツヤとまとまりを与える | ◎ |
洗い流さないトリートメントの使い方
- ヘアメイクアーティスト
- 江川 徹@tooru_f.hair_salon
- 縮毛矯正、髪質改善が得意な東京・錦糸町を中心に活躍するベテラン。
5,800円(税込)〜
お風呂から出た後の洗い流さないトリートメントの基本的な使い方をご紹介します。
洗い流さないトリートメントの絶対的に正しい使い方、ルールはありません。
ご自身のヘアケア方法に合わせてお使いいただいて全然OKです♪
使い方①ドライヤーでブローする前につける
お風呂でトリートメントをした後、タオルドライで優しく水気を取った髪に洗い流さないトリートメントを馴染ませます。
洗い流さないトリートメントの付け方
- 濡れた髪を優しくタオルドライ
- 髪をくしでとかす
- 洗い流さないトリートメントつける
- ドライヤーで乾かす
いつものドライヤー前に、タオルドライをして洗い流さないトリートメントを使うだけ。
お風呂からあがったら、まずはタオルドライをしっかりと。
髪がびしょびしょに濡れたままでは、洗い流さないトリートメントをつけてもうまく浸透しません。優しくタオルで髪から水分を拭き取りましょう。
ゴシゴシとタオルで髪を乾かすのはNG。
濡れた髪は傷みやすくダメージにつながるので「優しく」水気を取ってくださいね。
次に目の粗いくしで、毛先→中間→根元の順にくしで優しく髪をとかします。
髪をといた後はもう一度タオルドライをして、洗い流さないトリートメントを髪に馴染ませ、ドライヤーでブローして髪を乾かしましょう。
使い方②ヘアセットの前に
洗い流さないトリートメントをつけるのは、は必ずしもお風呂やシャワーの後である必要はありません。
朝のヘアセット前に使うことで、スタイリングがぐっと楽になります。
乾いた髪に馴染ませて、そのあとドライヤーでブローします。
ドライヤーで液体状のオイルが揮発したら、ヘアアイロンやコテ巻きをしましょう。
髪がオイルで濡れたままアイロンをやコテを当てると、熱が伝わりにくかったり、アイロンのプレートが汚れたりするので気をつけてくださいね。
朝のヘアセット前におすすめの洗い流さないトリートメント、まとめ
お風呂やシャワーの後、濡れた髪をドライヤーでブローする前に使う洗い流さないトリートメントについて、美容師さんに解説してもらいました。
洗い流さないトリートメントには主に以下の3種類があります。
- ヘアミルク
- ヘアウォーター
- ヘアオイル
それぞれに特徴があり、髪質や髪の状態に合わせて使い分けましょう。
くせ毛の場合は髪内部の水分を吸収しやすいコルテックス分布に偏りがあることを踏まえると、相性が良いのはヘアオイル。
パサついてうねる、まとまりにくい髪にツヤを与え、まとまりの良い状態に導いてくれます。
使い方も簡単、ドライヤーでブローする前に髪に馴染ませるだけ。
それだけでくせ毛ならではの髪の悩みを解決できます。