髪の毛は肌と同じように、年齢を重ねることで変化します。
代表的なものは髪のうねりや髪のパサつき。
お手入れをしていても髪型がうまく決まらず、悩んでいませんか?
加齢によって変化する髪質には、年齢に合わせたトリートメント選びが大切です。
- 毛髪診断士
- 遠藤 颯
- 毛髪診断士。Webメディアにおいて6年間記事監修を務める。
10点以上のヘアケア&美容アイテムのプロデュース経験も。
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加齢で髪がうねる原因を知ろう
そもそも、なぜ年齢を重ねると髪がうねってくるのでしょうか?
それはハリとコシのある髪を作る女性ホルモン「エストロゲン」が加齢によって減少するためです。
ハリとコシがなくなった髪は、湿気による膨張に耐えるだけの強さがなくなり、うねりやすくなります。
「それならどうにかしてエストロゲンの分泌量をずっと維持すればいいんじゃないの?」
そう思うかもしれません。
しかし、上記の図のように女性のエストロゲンは思春期を迎える10代後半から30代中頃まで多く分泌され、それ以降は分泌量が減少していきます。
それがわたしたち人間が避けては通れない「加齢」という現象です。
髪はほとんどがケラチンというタンパク質の繊維でつくられていますが、年齢を重ねるとその密度が低くなり、痩せ細った髪になります。
例えば、上の写真のイメージのように、20代ではツヤのある髪でも年齢とともにそのツヤがなくなり、パサつき、うねり、ボリュームが出ないといった髪悩みが顕著にでてきます。
特に閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が著しく低下するため、50歳前後から髪悩みが顕著に現れやすくなりますから「若い頃はあんなにつやつやでストレートな髪だったのに、最近は髪質が全くといいほど変わってしまった」という現象が起きるのはこのためです。
次に、エストロゲンが減少すると具体的にどのように髪質が変化するのか、見ていきましょう。
エストロゲンが減少すると髪質が変化する原理
エストロゲンは髪の毛の根をつくる「毛包」の成長期間を伸ばし、頭髪の成長を盛んにする作用をもっています。このエストロゲンが減少すると、毛髪の成長が途中で止まったり、成長段階の毛髪が抜け落ちたりします。
本来であれば、毛髪は髪が成長する「成長期」→成長を止める「退行期」→毛穴から生えているだけの「休止期」というヘアサイクル(毛周期)を辿りますが、加齢によりエストロゲンが減少すると、成長期の期間が短くなります。
そうすると、毛髪は十分な成長を遂げないまま休止期に入りますから、ハリとコシがない細髪や、うねりのある髪が生えてきます。
エストロゲン減少による髪質変化
- 髪が細くなりハリとコシがなくなる
- うねりが出てくる
- ツヤがなくパサついて見える
- 薄毛になる
さらにいえば、加齢によるうねりにも個人差がありますから、自分の髪はどのタイプに当てはまるのか、次の事項で確認してみましょう。
あなたはどのタイプ?加齢による髪のうねりの種類
加齢によるうねり髪に効果的なヘアトリートメントには、大きく分けて3種類のものがあります。
- インバストリートメント(洗い流す)
- アウトバストリートメント(洗い流さない)
- ヘアバームなどスタイリング効果のあるもの
もともとの髪質の影響もあるため髪の毛のうねり方も人それぞれです。お悩みを解決するためにお使いになるヘアトリートメントも、髪質にあったものを選ぶとより効果的です。
そのためにも、髪のうねり方を知っておきましょう。
1.根本ぺたんこ&うねるタイプ
もともとの髪が細い人に多い「根本ぺたんこ&うねるタイプ」。
雨の日や、湿度の高い日は湿気を吸って髪が重くなりますから根本がぺたんこになります。それに加えてうねりも出るのと、さみしい印象に。
また、生え際の頭皮が透けて見える場合は「びまん性脱毛症」の疑いもあります。びまん性脱毛症についてはこちらの記事をご覧ください。
2.ぱさぱさ&うねるタイプ
ツヤがなく、毛先を中心にパサついて見えるうねり髪のタイプです。毛量が多い人によく見られます。
白髪染めをはじめとしたカラーリングで髪が傷んでいることも原因のひとつ。
湿気の多い日は水分を吸収して広がりやすく、冬の乾燥した季節にはパサパサして指通りが悪くなる髪質です。
パサパサ髪についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
3.チリチリタイプ
髪のうねりがより細かく、触るとザラつくチリチリタイプの髪質。細い髪、太い髪関係なく現れやすいのが特徴です。保水量も少なく、乾燥していてツヤがないため、「老け見え」で悩まされている方も多いのがこのタイプ。
チリチリする髪についてはこちらの記事でより詳しくご案内しています。
うねりのタイプ別にヘアトリートメントを選ぶと効果的
髪質に合わせて、毛髪診断士が選んだ
- インバストリートメント
- アウトバストリートメント
- ヘアバームなどのスタイリング効果のあるもの
3種類のトリートメントを使い分けてみましょう。
1.根本ぺたんこ&うねり髪に合うトリートメントの種類
お風呂の中で使うインバストリートメントのみ使用。
根本がぺたんこになりやすい人は余計な油分をつけると髪がおもくなりがち。そんなときはアウトバストリートメントはつけなくてもOK。
ハリとコシを与える毛髪補修成分配合のインバストリートメントは指通りを良くしてさらっとした仕上がりに。
今回使ったアイテムはこちら
ケラチンタンパク質配合※1で髪にハリとコシを
4,900円 (税込)
11,000円 (税込)
8,980円 (税込)
※1 加水分解ケラチン
ダメージが気になるなら、酸熱トリートメントも
ハイダメージヘアには、毛髪を内部から補修できる酸熱トリートメントがおすすめ。
酸熱トリートメントとは、「酸」が配合されたトリートメントで、仕上げに乾いた状態でヘアアイロンを通すことで、補修成分を浸透させる比較的新しい技術です。
おうちで酸熱ケアする場合は、普段のトリートメントの代わりに使えるヘアマスクタイプのものがおすすめです。
おうち酸熱トリートメント!ストレートヘアマスク
3,800円(税込)〜
2.毛先パサパサタイプにおすすめのトリートメントの種類
毛先がパサパサして広がる&うねる髪質のひとにはインバストリートメントに加えて、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)を。
アウトバストリートメントはインバストリートメントよりも濃厚な使い心地ですから、傷んだ髪、うねる髪をしっかり補修、保湿してくれます。髪の毛どうしの摩擦を防止し、髪の毛が傷みにくくなる嬉しい効果もあります。
使用したのは毛髪補修成分配合のヘアオイル。ドライヤーで髪を乾かす前に使用するとキューティクルが整いツヤっとした質感にスタイリングできます。
毛髪補修成分配合のプリュムヘアオイル
5,800円(税込)〜
3.チリチリタイプにおすすめのトリートメントの種類
チリチリとしたタイプのうねり髪は、スタイリング効果のあるトリートメントを使用することでまとまるヘアスタイルに仕上げられます。
とくに、チリチリとした髪質は光を乱反しますから、視覚的にも整って見えない特徴があります。
そこで、髪の毛表面をコーティングしてあげるスタイリング剤で仕上げることで、まとまりのあるツヤ髪にセットできます。
インバストリートメント→髪を乾かす前にヘアオイルをつけてドライヤーでブロー。最後にヘアバームでヘアセット。
インバストリートメント:プリュムトリートメントを使用。
アウトバストリートメントは:プリュムヘアオイル+プリュムワックスを使用しました。
今回使ったアイテムはこちら
プリュムワックス
(ヘアバーム ソフト)60g
3,500円(税込)〜
加齢で髪がうねる原因とトリートメントの選び方まとめ
加齢で髪がうねる原因は女性ホルモン「エストロゲン」の減少によるもので、髪のうねり方もさまざま。
それぞれに最適なトリートメントを使用することでより効果を実感しやすくなります。
髪のうねりのタイプ3つ
- 根本ぺたんこ&うねるタイプ
- 広がる&うねるタイプ
- チリチリするタイプ
それぞれの髪質に合うトリートメント
髪質 | 合うトリートメントの種類 |
1 | インバス |
2 | インバス+アウトバス |
3 | インバス+アウトバス+ヘアバームでセット |
いくつになっても美髪を保ち、おしゃれをお楽しみいただくきっかけになれば嬉しいです。