「白髪を抜くと増えるからやめた方がいい」そのようなことを、よく耳にしませんか?
この記事では白髪を抜くと増えるのは本当か?解説します。
- 毛髪診断士
- 遠藤 颯
- 毛髪診断士。Webメディアにおいて6年間記事監修を務める。
10点以上のヘアケア&美容アイテムのプロデュース経験も。
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結論「白髪は抜くと増える」は嘘
最初に結論からお話すると、白髪を抜くと増えるという話は嘘です。
たとえば、同じ毛穴から2本〜3本の髪の毛が生えることがあります。
その白髪を抜いたとしても、同じ毛穴から生えてくる髪はそもそも白髪が生えてくる毛穴ですから、他の毛穴の髪が白髪になるということはありません。
すなわち、抜いたからといって事実上、白髪が増えるわけではないのです。
それではどうして白髪を抜くと増えるという噂が広まったのでしょうか?
おそらく、白髪が増える時期と白髪を抜く時期が重なっている人が多いからだと考えられます。
白髪が生えてくる原因はメラノサイトにあり
髪の毛が白くなるのは、老化現象によるものです。
メラノサイトが髪を黒くするためのメラニン色素を毛母細胞に渡せなくなってしまうために発生します。
では、なぜメラノサイトがメラニン色素を毛母細胞に渡せなくなるのでしょうか。
はっきりとした原因はいまだに不明ですが、色素細胞の機能低下やその数の減少、消失などが考えられます。[1]
そのようなことをできるだけ起こさないように、生活習慣を見直したり、頭皮を労ってあげることも大切です。
たとえば、睡眠不足、ストレスなどによって血行が悪くなると頭皮の環境も悪化します。
白髪対策のためにも規則正しい生活を送り、質の高い睡眠をとって頭皮環境を改善しましょう。
白髪を抜くのは危険!その理由について
目立つ場所に白髪が出てきたのでなんとかしようと思わず抜いてしまう方が少なくありませんが、白髪を抜くのはNGです。
もちろん、その理由は「白髪が増えるから」ではありません。
それでは、なぜ白髪を抜いてはいけないのでしょうか?
毛根を傷つけてしまう可能性がある
白髪が目についたからと髪を抜いてしまうと、毛根を傷つける可能性があります。
むやみに髪を抜いて毛根が傷むと、そこから炎症を起こしてしまい、次の髪の毛が生えにくくなります。
場合によっては出血してしまうこともあるのでくれぐれもご注意を。
白髪が見えても、自分の髪を守るために抜かないようにしてくださいね。
毛根が弱まって薄毛につながる可能性がある
わかってはいるけれどやっぱり白髪が見えると、ついつい抜いてしまう!
そんな方もいらっしゃいます。
いつの間にか白髪を抜くこと自体がクセになってしまい、抜毛症になってしまうことも。
抜毛症になると毛根が弱り、薄毛の原因になる可能性も出てきます。
髪の毛のボリューム維持のためにも、白髪は抜かないようにしましょう。
白髪を抜きたくなったらこうしよう!
白髪は抜いてはいけない、分かってはいてもあまりに目立つようになってきたからなんとかしたい。
その場合はこれからご紹介する方法で白髪対策をしましょう。
髪を抜かずに白髪をカバーする3つの方法をご紹介します。
白髪をカットする
部分的に白髪が出ている場合は抜くのではなく、カットすることをおすすめします。
白髪を引っ張りながらできるだけ根元までハサミを下してカットしましょう。
自分でやる場合には間違って他の髪の毛までカットしてしまわないように、白髪をしっかり指で挟んで引っ張っておいてくださいね。
失敗したくない方は、美容室でのカットの際に美容師さんにお願いしましょう。
白髪染めをする
白髪が増えてどうしても気になるようになるようであれば、白髪染めをするのがベターです。
白髪染めは色は、明るい色だと綺麗に染まりにくく、色落ちも早いため、7~8トーンくらいがおすすめです。
目立ちやすい白髪を染める頻度は2か月に1回程度、2回目以降はダメージを最小限におさえるため、リタッチをしてもらいましょう。
白髪染めもヘアカラーの1つであり、髪へのダメージが大きいため髪全体を染める回数は極力減らすようにしてくださいね。
もし白髪がまばらな程度であれば、ファッションカラーでも染めることができます。
ファッションカラーは本来、白髪染めには不向きなものの白髪の度合いによっては使えることがあります。
白髪ぼかしカラーをする
白髪をしっかりと暗めの色に染める方法もありますが、ハイトーンを入れることで白髪をぼかすのもおすすめです。
明るい髪色に変えて白髪と馴染ませていくので、おしゃれな髪色を楽しむことができます。
たとえば、最近流行っているのはバレイヤージュです。
詳しくは「美容師解説!気分が上がる白髪ぼかしカラーを長さ別にご紹介」をチェック!
白髪が髪全体にあるのではなく、部分的にちらほらと見える場合は白髪ぼかしを試してみてはいかがでしょうか。
ハイライトはセルフでも入れられますが、白髪とのバランスを含めておしゃれな仕上がりになるように、美容室で施術してもらうことをおすすめます。
エイジングサインに気が付いたら、おうちケアを
髪のエイジングサインに気が付いたら、おうちヘアケアにもこだわってみませんか?
お肌の曲がり角があるように、白髪が目立ち始める時期は「髪の曲がり角」。
いつものヘアケアにちょっとした一工夫を。頭皮と髪を労わる美髪習慣をはじめませんか?
頭皮と髪にやさしい使用感のアミノ酸系シャンプーを
頭皮と髪を労わるなら、やさしい使い心地の弱酸性&アミノ酸系のシャンプーがおすすめ。
頭皮に大切なうるおいを残してくれるので、乾燥しがちな大人の頭皮と髪にぴったりです。
ハリ&コシを付与する毛髪補修成分
毛髪補修成分はダメージを受けた髪や、ぺたんこ髪ハリとコシを与えてくれます。
ハリ・コシ付与成分の例
- ケラチン
- ヘマチン
- シルク
など
アウトバストリートメントでうるおいを閉じ込めて
エイジングサインを感じたら、インバスケアに加えて、アウトバストリートメントも使うと良いでしょう。
パサつき髪、うねりが身もしっかりうるおって、ツヤのあるしなやかな髪に。
白髪は抜くと増えるのは嘘?本当?要点まとめ
白髪を抜くと増えるというのは、根拠のない作り話です。
しかし、白髪を抜くことで毛根が傷ついたり、抜毛症へと繋がったりすることがあります。
健やかな頭皮環境を保つという観点から、白髪を抜くのはやめておきましょう。
参考文献
[1]新ヘア・サイエンス 第2版