レモンの精油は、嗅ぎ慣れたフレッシュで清涼感のある香りです。
そんなレモンの精油は、香りに好き嫌いが分かれにくい人気の精油でリフレッシュ効果が高いとされています。
「レモンの香りって他に効果があるの?」
「どのような作用をもたらしてくれるの?」
そこで今回は、レモンの精油の効果や作用についてご紹介します。
レモンの基本情報
レモンの名前の語源は、柑橘類の果実を意味する「ライムン」というアラビア語や、「リムン」というペルシャ語からきたとされています。
レモンがヨーロッパで栽培されるようになったのは十字軍の遠征より後になりますが、虫よけや虫刺されなどにも効果があり、万能薬として人々の生活に取り入れられてきた歴史があります。
紀元前には、インドの伝統的医学で、生命医学を意味する「アーユルヴェーダ」でデトックスにを促す際に使われたり、古代エジプトでは肉や魚の腐敗防止や食中毒の解毒剤として使われたりしていました。その後、1世紀頃に南イタリアに伝わり、7世紀頃にはペルシアやエジプトに使用が広がったとされています。
レモンは南インド原産の常緑低木で、3mほどの樹木に白やピンクの花を咲かせます。
果実は主に料理や飲料に使用されることが多いですが、鉢植えにして観賞用の樹木としても人々から愛されています。
レモン精油には光毒性があるため、使用後に紫外線に当たると赤みや腫れなどの皮膚トラブルの原因になるため、低濃度で使用するなどの注意が必要です。
レモンの精油 基本情報
【精油名】 | レモン |
【学名】 | Citrus limon |
【科名】 | ミカン科 |
【原産地】 | イタリア、アメリカ、スペイン、アルゼンチンなど |
【抽出部位】 | 果皮 |
【抽出方法】 | 圧搾法 |
【香りの特徴】 | フレッシュで清涼感のあるレモンの香り |
【ノート】 | トップ |
レモンの精油は種類によって抽出方法が違う?
レモンの精油には、「圧搾法」と「水蒸気蒸留法」の2種類の抽出方法があります。
圧搾法
圧搾法とは、果物の皮を手や機械などで絞ることで油胞(精油が溜まっている袋)を破裂させ、精油を抽出しスポンジで吸い込むという流れで精油を抽出する方法です。
圧搾法でレモン精油を抽出すると、熱の影響を受けないため、レモン果皮そのもののフレッシュな香りを精油として抽出することができます。
そのため、圧搾法で抽出されたレモン精油は、フレグランスとして使用されることが多く、主にアロマディフューザーでの芳香浴や、アロマスプレーで噴霧して使用します。
※圧搾法で製造されたレモン精油には、光毒性があるとされるフクロマリン類を含むため、使用後に日光に浴びたり、敏感肌の方が高濃度で使用するのは禁忌事項とされているため、使用には注意が必要です。
水蒸気蒸留法
水蒸気蒸留法とは、原料となる植物を蒸留窯に入れて加熱し、芳香成分を水蒸気とともに気化させたあと、冷却して液体に戻すという流れで精油を抽出する方法です。
水蒸気蒸留法で抽出したレモンの精油は、不純物を取り除けたり、熱を与えないため長期保管ができます。
さらに、フクロマリン類をほとんど含まなくなるため、光毒性の心配がなくなります。
そのため、化粧品類にレモン精油を加えたい場合は、水蒸気蒸留法で抽出されたレモン精油を使うか、香りの代用としてレモングラス精油を使用します。
※レモン精油を肌に使用する場合は、光毒性の心配のない水蒸気蒸留法で抽出されたレモン精油を使用することをおすすめします。
※香りの良い、圧搾法で抽出されたレモン精油を使用する場合、低濃度ものを使用し、日光に当たらないようにしてください。
レモンと相性の良い精油とは?
レモンの香りは、好き嫌いが分かれにくいため、レモン精油単体で使用されることも多いです。
柑橘類の精油とブレンドして、よりすっきりとした香りでリフレッシュ効果を高めたり、他の精油とブレンドして相乗効果を測ったりと、さまざまな使い方があります。
リフレッシュしたいときには、アロマディフューザーやアロマスプレーで芳香浴をするのがおすすめです。
よりリラックスをしたいのであれば、レモンの精油にフローラル系の精油をブレンドすると鎮静作用の効果が高まります。レモン精油とブレンドするのに相性の良い精油として有名なのはラベンダーになりますが、ラベンダーの精油は香りが強いため、レモンの精油とブレンドして使用する場合、レモン精油4に対してラベンダー精油1の割合で良いかと思います。
【相性の良い精油】
フローラル系… フレッシュな香りに甘さが加わる
- ラベンダー
- カモミール・ジャーマン
- カモミール・ローマン
- ローズ
ウッディー系… すっきりとした香りの後に爽やかで落ち着きのある香りが広がる
- ティーツリー
- ジュニパーベリー
- ユーカリ
オリエンタル系… レモンの香りがした後に濃厚な香りが残る
- イランイラン
- サンダルウッド
ハーブ系… フレッシュな香りにハーブ系の爽快感が加わる
- ペパーミント
- ローズマリー
※レモン精油は肌への刺激が強いものになるため、オイルトリートメントなどで肌へ使用する場合は、低濃度で利用し、肌にヒリつきがある場合はすぐに洗い流してください。
※レモンの精油には光毒性があるため、肌へ使用した場合は日光を避けるようにしてください。
レモンの香り、主な作用や効果とは?
レモンの香りの作用や効果についてお伝えします。
リフレッシュ効果
レモンの精油は、フレッシュで清涼感のある香りが特徴で、その香りが意識を高揚させてくれます。
レモンの香りはリフレッシュしたい時に効果が高く、冷静になりたいときや、集中したいときに使用すると良いとされています。
血行促進効果
レモンには、血行を良くして身体を温めてくれる効果があります。
血行が良くなると老廃物が排出されやすくなるため、冷えやむくみの改善にも役立ちます。
また、レモンの香りを嗅ぐと唾液が分泌されることからもわかるように、レモンの香りは消化を促進してくれる効果もあるため、暴飲暴食による胃のむかつき、消化不良などに効果的です。
抗菌・殺菌作用
レモンの香りは抗菌・殺菌作用が強いとされており、空気中の菌を殺菌することは、アロマテラピーの礎を築いたとされるフランスの軍医、ジャン・バルネ博士が自らの研究によって明らかにしました。
そのため、キッチンやリビングなどの除菌・抗菌をしたい場合はアロマスプレーで噴霧するのが良いです。
また、空気の消臭・浄化や、空間の感染症対策をしたい場合は、アロマディフューザーにレモン精油を数滴たらして使用すると良いかと思います。
※上記は植物の一般的な性質を述べたもので、化粧品の効能を示したものではありません。
レモンのクリアな香りで気分を上げよう
清涼感のあるフレッシュな香りが特徴のレモンは、リフレッシュしたい時や気分を上げたいときにおすすめな精油です。
レモンの精油は比較的、価格も手頃で扱いやすい精油となります。リラックス効果を高めたいときはアロマディフューザーにラベンダーやカモミール・ローマンとレモン精油をブレンドしたものを数滴垂らして芳香浴をしたり、
お部屋やキッチン、ごみ周りなどの消臭・抗菌をしたいときはレモン精油でアロマスプレーを作って空間に噴霧すると良いかと思います。
個人的には、レモン精油3:ベルガモット精油3:ラベンダー精油1でブレンドしたものを※アロマストーンに垂らし、玄関先に置くと、爽やかで落ち着く香りが玄関に広がるのでおすすめです。
※アロマストーン… 素焼きや石膏で作られたストーンに、アロマオイルを垂らすことで香りを楽しめるディフューザーの一種です。洗う必要もなく、繰り返し使えます。