薄毛や脱毛症で悩まれている方は少なくありませんし、その症状も原因も様々です。
しかし、その原因がストレスであるなら改善の余地はあります。
ストレスはわたしたちの体に多くの影響を与えますが、薄毛や脱毛症といった頭髪に関する症状にも関係しています。
今回は毛髪診断士がストレスによって引き起こされる薄毛、脱毛症について、その症状と治りやすさをまとめました。
これから薄毛を改善したい人、今後自分が薄毛になったらどうしようと心配されいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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ストレスが関係する薄毛、脱毛症の種類
ストレスによって引き起こされると言われている薄毛及び脱毛症は主に以下の通りです。
- 円形脱毛症
- 頭皮の血流循環の悪化による薄毛
具体的にストレスによってどのように薄毛が発生するのか詳しいメカニズムは解明されていませんが、これらの脱毛症および薄毛の原因のひとつにストレスが関わっています。
そして上記の写真をみてわかるように、自然に抜け落ちた髪の毛根と脱毛症(薄毛)によって抜け落ちた毛根を比べると大きな差があります。
健康な自然脱毛の特徴
健康的なヘアサイクルで抜け落ちた毛根は棍棒毛(こんぼうもう)「クラブヘア」と呼ばれます(写真左)。この棍棒は寿命が尽きた髪の毛が頭皮から押し上げられて、シャンプーやブラッシング中に自然に抜け落ちます。
健康的に抜け落ちた髪の毛の根本をみると白い球のようなものがついているのが特徴です。
病気やストレスによる脱毛症の特徴
ストレスによって引き起こされる脱毛、薄毛の代表例の一つとして「円形脱毛症」があります。
いまだに解明されていない部分もありますが、ストレスを感じるとホルモン分泌量の変化したり、末梢神経の異常などが引き起こされたりして、自分で自分の細胞を攻撃する「自己免疫」が起きます。
自己免疫が起きると、髪の毛を作る毛球にある毛母細胞が体内で異物と誤認されて血液中のリンパ球により破壊され、これから成長しようとしている若い毛髪が抜け落ち、円形脱毛症が引き起こされます。
脱毛症によって抜けた毛の毛根は萎縮毛(写真右)とよばれ、先細りして弱々しいのが特徴です。
軽く引っ張るだけで抜け落ちてしまいます。
1日70本以上の抜け毛は異常、ストレス以外の原因も
健康的な状態での1日の抜け毛本数は、一般的に40本〜70本と言われています。
すなわち、1日で70本以上抜ける場合は異常な本数であり、男性型脱毛症(AGA)や、びまん性脱毛(女性における男性型脱毛症)分娩後脱毛症(産後脱毛症)などホルモンバランスの変化や分泌量が関わって発生している可能性があります。
男性型脱毛(AGA)
男性ホルモンである「テストステロン」は、男性らしいからだづくりや、髭や体毛を濃くする一方で、毛根にある「5αリダクターゼ」という酵素によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変えられると、頭髪の薄毛を引き起こします。
DHTが結合する男性ホルモン受容体(アンドロゲンリセプター)は前頭部から頭頂部の毛根にあり、側頭部、後頭部の毛根にはほとんどありません。そのため、AGAは前頭部から頭頂部にかけて薄毛が起こります。
女性のびまん性脱毛
広い範囲、あるいは全頭の毛髪は薄くなっていく症状です。多くの女性の脱毛症はこのびまん性脱毛症にあたります。
薄毛に悩む女性の約半数が、このタイプだといわれており、加齢による女性ホルモン「エストロゲン」の低下が原因です。
30代の後半からエストロゲンが低下するため、症状が気になることが多くなります。
たとえば、
- 頭髪全体のボリュームが減ってきた
- 「分け目が広くなった
- 「地肌が透けてみえるようになってきた
これらが気になってきたら、びまん性脱毛症のサインです。
分娩後脱毛症(産後脱毛症)
出産後のホルモンバランスの影響によるもので、一時的な薄毛、抜け毛である可能性が高いです。
赤ちゃんを産むと女性の体には想像を超えるほど大きなホルモンバランスの変化が起きます。
まず産後2〜5日すると母乳をつくるためのホルモン「プロラクチン」が脳の下垂体という部分から分泌されます。
このプロラクチンの作用によって乳腺が発育し、母乳がでてくるようになりますが、一方で毛髪の成長に関わる「エストロゲン」の分泌は急激に減少します。
このエストロゲンの減少により、産後から新たに生えてくる髪の毛にハリとコシがなくなり、「抜け毛が増えた」と感じることが多くなります。
産後の髪悩みについてはこちらの記事をどうぞ。
円形脱毛症は治りやすいものと治りにくいものがある
原因のひとつにストレスがあるといわれる円形脱毛症ですが、そのなかでも治りやすいものと治りにくいものがあります。
治りやすいもの
- 単発型円形脱毛症
- 多発型円形脱毛症
治りにくいもの(難治症)
- 全頭型円形脱毛症
汎発(はんぱつ)型円形脱毛症
単発型円形脱毛症:1年以内に治る可能性がある
毛髪が抜け落ちる部分(脱毛斑)が一箇所のみ。一般的に円形脱毛症と呼ばれるものはこの単発型です。発症した人の80%が1年以内に治るというデータが出ています。
生え際が薄くなったり、全体の髪の毛がだんだん抜けて薄毛になるわけではなく健康な髪の毛が急に毛髪が抜けて円形状に皮、膚が露出するのが特徴であり、頭部のどこにでも発現します。
治療方法
単発型で脱毛の範囲が広くない軽症の患者さんの場合、ステロイドの塗り薬が処方されることいが多いです。
さらには、脱毛している部分にステロイドを注射する「ステロイド局所注射」という治療を行うこともあります。ただし、ステロイド局所注射は小さなお子様は成長障害を引き起こすことがあるので、使用できません。
小さなお子様でも治療可能なものとして、ステロイドを使用しない「局所免疫療法」があります。皮膚に炎症を起こす薬品を脱毛部に塗って、わざと皮膚炎を起こさせる治療法です。
二週間に一度程度の通院が必要で、一度治療をやめると脱毛が再発することがあります。
これらの治療を行い、およそ3か月~半年ほど経過を見ます。
多発型円形脱毛症:1〜2年で治る可能性がある
円形の孤立した脱毛斑が複数個ある状態。
単発型から移行することが多く、さらには再発率が高い特徴を持っています。
ただし、複数の脱毛箇所がつながって脱毛範囲が大きくなった場合は頭部すべての髪の毛が抜けてしまうこともあります。
そうなると治療が難しくなるため、放置せず早めに皮膚科医に相談することをおすすめします。
治療方法
初期の治療方法として、ステロイドの塗り薬、ステロイド局所注射治療を行います。
脱毛斑が頭部全体の25%以上で発症後6ヵ月以内の急速に進行する円形脱毛症の場合にはステロイド内服治療、高濃度のステロイド点滴「ステロイドパルス療法」が用いられることがあります。
全頭型円形脱毛症:難治症
全頭脱毛症は、文字通り頭部全体の毛髪が抜けてしまう症状で、難治症のひとつとも言われます。
ただし、頭部全体の毛が突然一気に脱毛するわけではありません。
一般的に「単発型円形脱毛症」からはじまり、「多発型円形脱毛症」へと移行、最終的に頭部全体の脱毛に至ります。
このタイプの脱毛症は自力での改善治療が難しいと考えられていますから、異変に気がついたらなるべく早めに医療機関に行き、治療を受けることをおすすめします。
汎発(ばんばつ)型円形脱毛症:難治症
汎発(ばんばつ)型脱毛症、あるいは全身脱毛症と呼ばれ、頭部のみならず眉毛、まつげ、髭、脇毛、など全身の体毛が抜け落ちてしまう脱毛症です。
原因はいまだにわかっていません。
全頭型円形脱毛症と同様、ことのはじまりは単発型脱毛症から始まることが多いとされています。
現在の医学では治療が困難とされており、異変に気がついたら早めに医療機関に相談することをおすすめしています。
ストレス原因の血液循環不良による薄毛について
頭皮の異常は、多くの場合脱毛に繋がります。
精神的ストレスが原因で頭皮の血流が悪くなり、毛根まで必要な酸素や栄養素が運ばれにくくなった場合、毛髪は全体的に細くなり、枝毛、切れ毛などが増えたり、毛幹に亀裂が生じたりします。
健康な頭皮は血流が良く、青白くて毛根が半分透き通っている状態ですが、血流が悪い頭皮はくすんだ色をしています。
身体と心の健康は美しい髪を育むために必要不可欠。
たとえば、精神的ストレスが原因で食欲がなくなると、髪の成長に必要なタンパク質が不足しますし、睡眠が十分にとれなければホルモンバランスも乱れます。
よってストレスが原因による血液循環不良が原因で薄毛になっている場合は、根本的なストレスを避けること、生活習慣を見直すことで改善につながります。
まずは頭や首が凝っている、頭皮が硬い、と感じている場合はシャンプー時にマッサージすることで、心身ともにリラックスしながら頭皮の血流を改善していきましょう。
ストレスを解消する頭皮マッサージ
ストレスで緊張、凝り固まった筋肉を血流を良くして毛根まで栄養素が届く頭皮環境を作ることが大切です。
そこで効果的なのが、シャンプーと一緒に行う頭皮マッサージ。
頭皮マッサージには副交感神経を刺激してリラックス効果を高める作用も。
就寝前に行うと眠りが深くなりやすく、髪の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌を助けてくれます。
◆正しいシャンプー中の頭皮マッサージ方法
- おでこから後頭部に向けて軽く頭皮全体をほぐしましょう。緊張をほぐすようにリラックスしながら行いましょう。
- 親指以外の4本の指を使って、おでこから後頭部にむかって頭皮を揉み込むように、指の位置をずらしながらマッサージ。頭皮を擦るのではなく、持ち上げるように揉み込むのがコツ。3回ほどくりかえしましょう。
- 側頭部から頭頂部にむかって同じようにマッサージします。
- 親指をつかって後頭部、襟足周辺を指圧します。
頭皮のは薄くデリケート。爪で頭皮を傷つけないよう指先ではなく、指の腹や手のひら(手の腹)をつかってマッサージしてくださいね。
特にお仕事でパソコンを使う方や、スマートフォンの使用時間が多い人は頭皮が硬くなりがち。
「頭が凝っているな」と感じる場合は少し時間をかけてマッサージしてみてくださいね。
頭皮に優しい使い心地のシャンプーのご紹介
プリュムシャンプーの洗浄成分は、アミノ酸系で優しい使い心地の「ココイルグルタミン酸TEA」とベタイン系・赤ちゃん用シャンプーにも使われる「コカミドプロピルベタイン」を組み合わせて配合しています。
ココイルグルタミン酸TEAとは、アミノ酸系洗浄剤の代表格であり強すぎない洗浄力と高いエモリメント効果(皮膚の水分や油分を保持、柔らかくすること)があることで知られています。
そのココイルグルタミン酸ETAだけでは泡立ちが弱いため、もう一つのこだわり成分、コカミドプロピルベタインを配合。
コカミドプロピルベタインは陽と陰、両方のイオンを両性イオン系界面活性剤であり、髪を洗うだけでなくリンス機能も持っています。
ココイルグルタミン酸ETAだけだと弱くなってしまう泡立ちがコカミドプロピルベタインを配合することで良くなり、肌への刺激を緩和する機能もあるため、赤ちゃんや小さなお子様にもお使いいただけるようになっています。
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11,000円 (税込)
8,980円 (税込)
ストレスによる薄毛は治るor治らない?まとめ
いかがでしたか?
薄毛や脱毛症の種類は多種多様ですが、ストレスがその原因のひとつでもあります。
なかでも、ストレスによる脱毛症として知られる円形脱毛症は初期の段階であれば治療法がある程度確率されていますから、頭髪に違和感を感じたら早めの医療機関の受診をおすすめします。
一方、ストレスではなくホルモンの影響によって引き起こされる「男性型脱毛症(AGA)」や「びまん性脱毛症(女性型脱毛症)」も正しい治療を受ける回復する脱毛症です。
薄毛は精神的にダメージの大きい症状ですが、諦めず治療することが大切です。