レモングラスの精油は、レモンのようなシトラス調の香りに、草や土が混ざったような香りがするのが特徴です。
そんなレモングラスの精油、リフレッシュ効果が期待できるだけでなく、身体にとってありがたい効果を得ることができるんです。
「レモングラスの香りってどんな効果があるの?」
「どのような作用をもたらしてくれるの?」
そこで今回は、レモングラスの精油の効果や作用についてご紹介します。
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レモングラスの基本情報
レモングラスは、中国やインドネシアなどの熱帯地域に生息しているイネ科の多年草です。
レモングラスは古くから薬用のハーブとして親しまれており、原産地であるインドでは数千年も前から伝統医学「アーユルヴェーダ」で感染症などの予防に使われてきました。
アジアではトムヤムクンなどの料理の香りづけや、肉や魚の臭み消し、香りを楽しむハーブティーとして使われることが多いです。その他にも、レモングラスの精油は洗剤や石鹸の香料にも利用されていることがあります。
レモングラスは、生長の早い芳香性多年性植物で、1.5m位の高さまで伸び、主に西インド産(Cymbopogon citrarus)と東インド産(Cymbopogon flexuosus)の2種類に分けられます。
西インド産のレモングラスは、シトラールの含有量が比較的少なく、ミルセンという成分を多く含むので、やや土っぽい香りがします。東インド産のレモングラスは、シトラールを多く含むので、よりレモンのような香りが強いのが特徴です。
レモングラスの精油 基本情報
【精油名】 | レモングラス |
【学名】 | Cymbopogon citrarus / Cymbopogon flexuosus |
【科名】 | イネ科 |
【原産地】 | ネパール、中国、インドネシア、オーストラリア、西インド諸島など |
【抽出部位】 | 葉や茎 |
【抽出方法】 | 水蒸気蒸留法 |
【香りの特徴】 | ユーカリの中でも特にクリアで清涼感のある香り |
【ノート】 | トップ ~ ミドル |
レモングラス精油とレモン精油って何が違うの?
「レモングラスとレモンは香りと名前が似ているけど、何が違うの?」
そう考える人もいるかと思います。
実は、似てるようで違う、この2つの精油の違いをご紹介します。
レモングラス精油とレモン精油の違うところ
レモングラスとレモンの違いを比較してみたものが以下になります。
名称 | レモン | レモングラス |
科名 | ミカン科 | イネ科 |
抽出部位 | 果皮 | 葉や茎 |
抽出方法 | 圧搾法 | 水蒸気蒸留法 |
光毒性 | あり | なし |
見比べてみると、全く異なる植物だということがわかります。
光毒性というのは、陽の当たるところで使用すると肌トラブルを起こしてしまうことです。
そのため、レモングラス精油を含む化粧品はときどき見かけますが、レモン精油を含む化粧品はあまり見かけないかと思います。
レモングラス精油とレモン精油の共通点は?
では、なぜレモングラスという名称なのかというと、「レモングラスとレモンの香りが似ているから。」
レモンの香りがする草ということで「レモングラス」という名が付けられたそうです。
レモングラスとレモンの香りが似ているのはなぜかというと、
レモングラスにはレモンやオレンジと同じ「シトラール」という成分が含まれているからです。
この成分によって、レモンのようなシトラス調の香りがレモングラスからするため、名前は異なるけど同じ種類の植物なのでは?と考える人が多いようです。
レモングラス精油とレモン精油の作用はそれぞれ異なるので、精油を購入する際は事前に効果を確認したうえで購入することをおすすめします。
レモングラスと相性の良い精油とは?
レモングラスの香りは、レモンのようなシトラス調の香りがする精油で、好き嫌いが分かれにくいといわれていますが、中には、草や土が混ざったような香りもするため、その雑草ぽい香りが得意ではないという方もいます。
その独特な香りを抑えたい場合におすすめなのが、ローズマリーやマジョラムといった、ハーブ系の精油とブレンドして使用することです。
また、ハーブ系の他にはフローラル系、スパイス系、ウッディー系もレモングラス精油との相性が良いとされています。
【相性の良い精油】
ハーブ系… シトラス調の香りがスッキリとした、リラックスできる香りになる
- ローズマリー
- マジョラム
- バジル
フローラル系… 草や土っぽさが和らぎ、甘くフルーティな香りになる
- ラベンダー
- ジャスミン
- ゼラニウム
- ネロリ
スパイス系… レモンのような香りにスパイシーさが加わった香りになる
- ブラックペッパー
- ジンジャー
ウッディー系… フレッシュさに森林のようなリラックスできる香りが加わる
- シダーウッド
- ティーツリー
- ジュニパーベリー
- ユーカリ
※レモングラス精油は肌への刺激が強いものになるため、オイルトリートメントなどで肌へ使用する場合は、低濃度で利用し、肌にヒリつきがある場合はすぐに洗い流してください。
※レモングラスの精油は刺激が強いとされているため、妊娠中の方や緑内障の方はご使用をお控えください。
※レモングラスはイネ科の植物になるため、イネ科アレルギーのある方はご使用をお控えください。
レモングラスの香り、主な作用や効果とは?
レモングラスの香りの作用や効果についてお伝えします。
鎮静作用
レモングラスの香りには、リラックス効果があるとされており、不安やストレス、緊張などで疲れた心を落ち着かせてくれる効果があります。
また、レモングラスの香りが脳を活性化させ、集中力や記憶力をアップしてくれるため、認知症の予防・改善にも効果があるということが、研究結果からわかっています。[1]
精神面で疲れを感じたときや、何か集中したいときにはアロマディフューザーにレモングラスの精油を数滴垂らして、芳香浴をすると気分もリフレッシュできるためおすすめです。
抗菌・抗真菌作用
レモングラスの香りには、抗菌・抗真菌作用があるとされてます。
また、キッチン周りに多い水虫の除菌や雑菌からくるニオイの対策にも効果的です。
レモングラスの香りには、虫が嫌がる「シトラール」という成分も多く含んでいるため、アロマスプレーで空間に噴霧したり、アロマディフューザーにレモングラスの精油を数滴垂らして芳香浴を行うことで抗菌・抗真菌作用に加えて、消臭効果やリラックス効果を得ることができます。
鎮痛・抗炎症作用
レモングラスには、鎮痛・抗炎症作用があります。
また、水溶性ビタミンが多く含まれているため、血行促進にも効果が期待できます。
疲労回復や、肩こり、腰痛、冷えやむくみにも良いとされているため、運動後にマッサージオイルにレモングラスの精油を希釈したものを数滴垂らしたものでマッサージをすると、翌日身体が軽くなるためおすすめです。
それ以外にも、食欲不振や消化不良、過敏性腸症候群などの消化器系のトラブルや、風邪や気管支炎といった呼吸器系のトラブルにも働きかけます。
レモングラスには、ハーブと精油があるため、体内のトラブルの改善を行いたい場合はハーブティーでの摂取をし、筋肉痛や肩こりなどを改善したい場合は、アロママッサージや、浴槽にレモングラスを数滴垂らして半身浴法を行うことをおすすめします。
※レモングラス精油は肌への刺激が強いものになるため、低濃度で利用してください。万が一、肌にヒリつきがある場合は湯船からすぐに出てしっかり洗い流すようにしてください。 ※上記は植物の一般的な性質を述べたもので、化粧品の効能を示したものではありません。
レモングラスの香りで身体も頭もリフレッシュしよう
レモンのようなシトラス調の香りに、草や土のような香りが特徴のレモングラスの精油は、身体の不調を感じた時におすすめの精油です。
レモングラスの精油は比較的安価で購入できるため、精油を利用してアロママッサージや、芳香浴、半身浴、アロマスプレーを作ってお部屋の消臭・防菌を行うのも良いかと思います。
個人的には、レモングラス精油とラベンダー精油やゼラニウム精油などのフローラル系の精油を3:1の割合でブレンドしたものを浴槽に垂らして半身浴をするのが、リラックスもできて血行促進もされるのでおすすめです。
参考文献:
[1] 科研費 嗅覚の後天的発達可能性の探索及び嗅覚障害併発疾患の新規治療法開発研究